ボードゲームで考える社会の平等と不平等《2025》
不平等なモノポリーの諸ルール
「不平等なモノポリー」ルール説明
1. プレイヤー
- 3つのカテゴリーに分かれており、サイコロの数が違うなど、ゲームのルールがそれぞれで異なります
- A群=「上級国民」
- B群=「中流階級」
- C群=「下級国民」
ゲームは、各プレイヤーが異なる財産(金銭や財産)を持っている状態でスタートします。銀行係は、キャラクターカードに記入されたカテゴリーと性別に基づいて、各プレイヤーの財産を分配して下さい。
2. ゲームの手順
- このゲームは、社会で見られる不平等をテーマにしています。そのため、最も裕福な白人男性のキャラクター(すなわち、Aurel)を引いた方からスタートします。
- 以降の順序は時計回りです
3. あなたのターン
- 各プレイヤーはカードに書かれたサイコロの数を振って下さい。つまり、あるプレイヤーにはチャンスが多く、他の人には少ないのです(カテゴリーCは、サイコロを一つしか振れません)。それは不公平では?はい、分かっています
- サイコロの出目だけ自分の駒を時計回りに進めて下さい。注意:障がいをもつプレイヤーは、サイコロの目をそれぞれ2点ずつ減点して下さい
- 止まったマスが、あなたが何をしなければならないかを決めます(下記「マスの意味」を参照)
- サイコロでゾロ目(ふたつとも同じ目)が出た場合、もう一度、サイコロを振ってください。止まったマスでアクションを行ったうえで、その後、もう一度、サイコロを振ります(ステップ1~4を繰り返す、ということです)。ただし、ゾロ目を3回以上出すと、すぐに「刑務所に入る」ことになります(ただし、Aカテゴリのプレイヤーを除く)1
- 自分の順番が終了したら、左隣の人にサイコロを渡して下さい
1 ゾロ目が連続して出続けることにより、運の要素が過剰に強調されてしまいます。このルールを設けることで、あまりにも運が偏りすぎることを避け、プレイヤー同士の戦略や交渉がもっと重要になるようにしています
4. マスの意味
- 月初め(DÉBUT DU MOIS):月初めのマス目に停止またはそこを通過すると、銀行から給料が支払われます
- 駅(Gare):駅は移動するために使います(オリジナル・モノポリーは駅は資産ですが、「不平等なモノポリー」ではそうではありません)。自分が選んだ別の駅に行くことができ、戻ることはできません。最寄りの駅に行くには20ユーロ、2番目の駅には40ユーロ、3番目の駅には60ユーロを銀行に支払います(例:あるプレイヤーがモンパルナス駅に止まった場合、20ユーロでリヨン駅に行くことができ、40ユーロでノール駅、60ユーロでサン・ラザール駅に行くことができます)。「月初め」マスを通過した場合、給料を受け取ります。注意:障害を持つキャラクターは駅を利用できません。すなわち、駅マスに止まっても意味がありません。
- 刑務所に入る(ALLEZ EN PRISON):このマスに止まった場合、自分のコマを「刑務所」のマスに移動しなければなりません。給料は受け取れません。あなたのターンは終了です。サイコロを次のプレイヤーに渡して下さい。注意:ルーカスとモハメッドが「刑務所に行く」のマスを通過するとき(通常は止まる必要はありません)、彼らは警察のチェックを受けるために止まらなければならず、その順番はそこでストップします。彼らは刑務所には行く必要はありませんが、次の順番が回ってくるまで待たなければなりません(このルールは確かに滑稽ですが、人種的プロファイリングと偏見の問題を提起することができます)
- 面会中(SIMPLE VISITE):ここに止まっても刑務所には行きません。自分のコマを「面会中(SIMPLE VISITE)」のエリアに置いて、何も起こりません。
- イベント(ÉVÈNEMENT)のマスに止まったら、カードを1枚引き、全文を声に出して読みます。その後、カードに書かれたアクションを実行してください。アクションを終えたら、そのカードを自分のそばに置き、次のプレイヤーに順番を譲って下さい。
- 再分配(REDISTRIBUTION):Aカテゴリのプレイヤーが「再分配(REDISTRIBUTION)」のマスに止まるか通過すると、Cカテゴリのプレイヤー全員にそれぞれ100ユーロを支払わなければなりません。ただし、電車を利用すればこのマスを避けることができます。Bカテゴリのプレイヤーは再分配に参加しません。また、「社会的上昇(Ascension sociale)」のイベントカードを持っているプレイヤーも同様です。
- 土地(PROPRIÉTÉ、地名が印刷されているマス):土地は22箇所あります。ここに駒が止まり、まだ所有者がいない場合は、ボードに印刷されている価格で銀行からその土地を購入できます。購入したプレイヤーは、所有権を示す権利書を受けとり表を向けて自分の前に置きます。もし、そのプレイヤーがその土地を買いたくないと宣言した場合は、銀行によって競売にかけられ、もっとも高い金額を提示したプレイヤーに販売されます。ボードに印刷されている価格で購入を拒否したプレイヤーも競売に参加できます。入札価格(売りに出される時の最初の価格)は、いくらからスタートしてもかまいませんが、通常は印刷されている額の半分からはじめます。 また、駒の止まったマスにすでに所有者がいた場合は、その土地のレンタル料を所有者に支払わなければなりません。
土地に関する権利書の見方
- あるプレイヤーが、他のプレイヤーの所有している土地に止まったら、所有者に権利書にあるレンタル料を支払います
- 同色の土地を同じプレイヤーが独占して所有している場合は、止まった土地の2倍のレンタル料を支払わなければなりません
- ただし、その土地が抵当(抵当の項目を参照)に入っている場合は、レンタル料は徴収できません
- もし所有者がレンタル料の請求を忘れても、次の次のプレイヤーがサイコロを振る前までに請求すれば、レンタル料は受け取れます。次の次のプレイヤーがサイコロを振ってしまうともうレンタル料は請求できません
Copyright
苅谷千尋