政治学概論Ⅰ《2025》

#11 行政と政官関係(2):政官関係

Author
Affiliation

苅谷 千尋, PhD

金沢大学 教育支援センター

Published

Thursday, 5, Feb, 2026

Modified

Saturday, 21, Feb, 2026

Keywords

政官関係;政治主導;官僚の類型;官邸主導

Ⅰ. 前回の振り返り

1. 授業の感想

  • 今井さん;梅田さん;角田さん;前田さん;引地さん

2. 国会中継を報道してみよう

  • 別紙参照

Ⅱ. 政官関係の制度と運用

1. 政官関係の基本

  • 日本の行政権の正統性
    • 選挙を通じて国会に付与され、国会の信任にもとづいて成立する内閣に与えられる
      • 「行政権は、内閣に属する」(憲法65条)
      • 「内閣は国会に対して連帯して責任を負う」(憲法66条)
  • 政官関係における官僚の位置付け
    • 官僚は専門的知見にもとづいて政策形成を補助し、決定された方針を忠実に執行する行政専門職
      • 政策の最終決定権と説明責任は内閣=政治家が担う
    • 裁量委任型の政策形成
      • 政治家は特定の関心をもたない政策領域については、官僚に問題設定と政策案の作成を委任
      • 欧米への「キャッチアップ」を目指した高度経済成長期には機能(官僚にプランあり)

2. 政官関係を支える基本的な制度

  1. 副大臣制度(2001年)
    • 行政改革の一環:官僚主導から政治主導へ
      • 国会審議の活性化および政治主導の政策決定システムの確立に関する法
    • 政務三役(大臣、副大臣、政務官の総称)を中心に官僚機構を動かす
      • 副大臣:大臣を補佐し、実務的な政治判断を担う(大臣を政治家チームで支える)1
      • Cf. 以前は省庁に一人で大臣が「乗り込む」ため、官僚主導、行政主導になりがちだった
      • Cf. 民主党政権が政務三役を中心とする政治主導を進めたが、政治家と官僚の間に無用の断絶を招いて機能不全に(政権交代の主要因となる)
  2. 内閣官房副長官(事務担当)
    • 内閣の重要政策等に関する企画立案・ 総合調整
    • 官僚機構全体の調整役(各省の利害や意見を官邸で一本化)
    • 内閣と各省庁の連絡・調整役を務める
  3. 次官連絡会議
    • 各省事務次官が集まり、政府全体の意思統一を図る
      • 各省庁がそれぞれ勝手に動くこと(内閣府一致)を防ぐ
      • 閣議前日に開かれ、各省庁からの提出予定案件を事前調整
      • 調整がつかない案件は閣議に上程されない
      • ➡︎ 事実上、最終的な政府の意思決定機関
  4. 内閣人事局(2014年5月設立)
    • 幹部官僚人事を官邸が一元管理
      • 内閣の政策方針と各省庁の人事を結びつける
    • 人事対象:審議官級以上の幹部職600人

1 「それまで政務次官の仕事は国会対策と各種イベントや大会での大臣の代理が主な任務だったが、副大臣制では国会答弁が中心になる。そのため政策の企画・立案、政省令起案や重要政策の決定のすべてに携わることになった」。「その結果、省益に阻まれ解決できずに置かれていた省庁を横断する政策テーマが、われわれ政務次官の協力によって解決可能となった。例えば、平成13年度に創設されることになっている「再建途上の企業融資を支援する事業再生融資制度(DIPファイナンス)」は、七条大蔵政務次官と私のしっかりとした連携の成果である」(伊藤達也(松下政経塾)副大臣制度を通じて真の政治主導の確立を)。

3. 政官関係を支える非公式制度

  • 自民党の事前審査制(非公開)
    • 官僚は、事前審査を通らない政策は、後で止められるとわかっているため、族議員、党の部会、政策調査会に足を運び、政策案の趣旨、技術的な中身、影響を受ける業界・地域、想定される反対意見と対応策などを、自民党議員に繰り返し説明2

    内閣が国会に予算・法案等を提出するにあたり、閣議決定前に自民党が審査する手続きである。法的な根拠はもちろん自民党党則に明記されたものでもないが、自民党の了承がない限り閣議決定できない慣習が成立している(奥健太郎・河野康子・黒澤良・矢野加奈子 adn 小宮・武田知己 (2015)

2  (大島理森元衆院議長)「事前審査制には確かに批判もある。私は(1999年成立の)国会審議活性化法の作成に携わった際、当時の森喜朗幹事長らに事前審査制の廃止を一つの案として提言した。与野党が対等に議論をスタートすれば、審議が活性化するのではとの思いだった。(原文改行)そもそもの問題意識は、政治家の発言、政党の責任を明確化すべきだということ。官僚に頼りすぎず議員同士の議論をできるだけ多くすることが審議の活性化につながる。その一つの方策として事前審査制の廃止を考えた。(原文改行)そうしたら、森〔森喜朗元首相〕さんは「それは無理だよ」と。廃止したら、政府・与党内の調整、政策の一体化が難しくなる。何でもかんでも国会に(法案を)ぽーんと出して議論しろと言っても、合意形成は容易ではない」(朝日新聞「それは無理」大物政治家が止めた国会改革 大島元議長が振り返る、2025年1月27日)。

  • Cf. 野党は政府を構成しないため、政策を決定・執行する意味での政官関係をもたない
    • ただし、国会で政府をチェックする立場として、官僚から説明を受ける場(野党合同ヒアリング)を設けたことがある
    • 政策を動かすためではなく、政府の対応を監視するためのもの
      • 主に国会閉会中に行われる(野党が要求する臨時国会が開かれないための代替措置の側面があった)
      • 国会の参考人に呼ばれない職位の者もヒアリングの対象となる
      • 「官僚いじめ」とみなされた 3
  • 例:民進党「教育現場不当介入問題野党合同ヒアリング 2018年4月18日

3 「過去の「野党合同ヒアリング」では、政府や閣僚の不祥事追及に興奮した出席議員が「なんで資料を持ってきていないんだ」「黒幕は誰だ」などと声を荒らげる場面が目立った。官僚は立場上、国会議員に反論しづらい。このため、他党から「弱い者いじめだ」などと批判され、日本維新の会や国民民主党は距離を取っている。」(読売新聞「「官僚いじめ」批判の立民、言葉遣いにピリピリ…「追及の場でない」とヒアリング出席議員にクギ」(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220919-OYT1T50005/)、2022年9月19日)。

4. 政官関係のハレーション

  • 政治主導か官僚主導か:対立が表面化
  1. 外務省の組織の運用
    • 野上義二(外務次官) vs. 田中真紀子(外務大臣)(via YouTube
  2. ふるさと納税創設問題
  3. 森友学園問題(財務省文書改竄問題)
    • 安倍総理「私や妻関与なら辞任」
    • 安倍官邸 vs. 赤木俊夫(財務省近畿財務局=ノンキャリア)(via YouTube

4 「(平嶋彰英)ふるさと納税は総務相を務めた菅さんの肝いりで、08年に創設されました。その後の14年、官房長官となった菅さんから、自治体に寄付する上限額の倍増などを指示されました。ただ、自治体から寄付者への返礼品が高額化し、競争が過熱する懸念があった。私は総務省通知と法律で一定の歯止めをかける提案をしましたが、菅さんは『通知のみでいい』とおっしゃいました」。(記者「――その8カ月後に、自治大学校長に異例の転出となりました」)。

Ⅲ. 官邸主導の政官関係

1. 官邸主導政治の特徴

  • 官邸官僚>大臣
    • 官邸官僚が担当大臣を超えて、各省庁に指示を出す
    • 担当大臣が「聞いていない」ことが多々あり
  • 安倍政権;菅政権
    • 安倍政権を居抜きした菅政権を除き、官邸主導政治は成立していない
    • いつまで続くかわからない政権に、官僚は「様子見」
  • 人事による支配
    • 内閣人事局:「恣意的な」幹部人事 5
    • 警察庁出身の官房副長官(事務担当)

5 「官僚たちが官邸の意向に忠実に従うようになったのは、第2次安倍政権で創設された内閣人事局の影響が大きい。官邸が中央省庁の幹部人事を掌握し、官房長官の菅義偉の辣腕(らつわん)ぶりもあり、官僚たちは「強すぎる官邸」を恐れた。政権終盤は森友・加計学園問題で官僚たちが官邸の意向を推し量る忖度(そんたく)も横行。ある事務次官経験者は「官邸に言いなりの官僚が大量に生まれた」と振り返る」(朝日新聞、2024年12月1日)。

2. トップダウン型の会議体

  • 官邸主導の会議体
    • 既存の省庁所管の審議会とは別に設置される審議会
    • 官邸主導=「総理案件」となり、各省庁に政治的な強制力が課せられる
    • 首相の判断に直接つながる提言や報告を行う
    • 改革の方向性;政治的優先順位を明示
    • 省庁横断的(一省庁に任せると、他省庁が「協力しない」問題が起きる)
  • 例:教育再生実行会議、経済財政諮問会議、規制改革会議(旧・規制改革推進会議など)、全世代型社会保障検討会議

3. 事例:教育再生実行会議

  • 教育再生実行会議(2013-2021)
  • Cf. 中央教育審議会(中教審)
    • 文部科学大臣の諮問機関
      • 専門家を中心;継続的な審議(タイムスケジュールあり)
  • 内閣(官邸)直轄
    • 道徳の教科化や入試改革など、12の提言を行う
    • 中教審の審議を待たずに方向性を示す
    • 文部科学省は主要アクターではない
  • ➡︎ 中教審は官邸主導の政策形成の「後段」に組み込まれる
  • 答申:大学入試制度改革(英語民間試験・記述式)6 7 8
    • 政治的スローガンや個々の政治家の問題意識にもとづく、理念や方向性が重視される
    • 現場の運用能力や負担への配慮が「後追い」となり、混乱を招く(のちに中止を決定)
      • 記述式答案の採点者:ベネッセ・大学生(を予定していた)

6 「復帰の背景にあるのは、幹部候補の人材難だ。17年に発覚した天下り斡旋(あっせん)問題に始まり、加計学園の獣医学部新設を巡るゴタゴタ、前述の贈収賄事件と相次ぐ不祥事に見舞われた文科省。義本氏を含めて多くの幹部が傷を負う結果となり、トップを担える人材の層が薄くなってしまった」(週刊エコノミストオンライン

7 「中教審教育課程企画特別部会の論点整理資料で、次期学習指導要領に向けた検討の基盤となる考え方を示している。「主体的・対話的で深い学びの実装」は今の指導要領を深めていくということ。次の「多様性の包摂」は、さまざま背景・事情を持った子供たちを、誰一人として取り残さないというマインドだ」(内外教育)。

8 「延期された大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入をめぐり、自民党の下村元文部科学大臣は、事業者と「蜜月関係にある」などと週刊誌で報じられたのに対し、「全くない」と否定し、導入決定の経緯に問題はないと強調しました。(原文改行)下村氏は、高知市で記者団に対し「そのようなことは全くない。『業者のための入学試験』というのは、ためにする議論だ」と否定しました。(原文改行)そして、「党で議論し、文部科学省でも審議会などで議論を積み重ねる中で決まったことだ。6年間勉強しても、まともに英語を話すこともできないのは、いかがなものかということで、『読む、書く、話す、聞く』の4技能すべてをマスターできる英語教育が必要だとなった」と述べ、導入が決まった経緯に問題はないと強調しました」(NHK政治マガジン「下村元文科相“事業者と蜜月関係”報道を否定」

4. 官邸主導政治を調整・補完する仕組み(研究者の提案)

  • 金井利之(行政学者):中立性の工夫
    1. 本省キャリア官僚とノンキャリア官僚の役割分担
      • 個別案件にキャリアはタッチせず、ノンキャリアに(政治家の圧力(容喙・ようかい)を回避)
    2. 法令・内規の遵守
  • 牧原出(行政学者):独立機関の設置
    1. 強い独立機関への期待
      • 例:会計検査院(憲法に独立の根拠あり)
        • アベノマスクの輸送料、保管料を指摘(批判)
    2. 内政の司令塔の設立提案
      • 「内政」系(=現場の負担感をよく知る)の出身者の活用(例:古川貞二郎)
      • 政と官の役割分担の確認

Ⅳ. 政官関係を理解する分析枠組み

1. 二つの正当性

  • 政治家と官僚(行政官)

    1. 政治家:代表性
      • 方向性の明示
    2. 官僚(行政官):専門性
      • 政治家によって明示された方向性に即した諸ルール作り
  • Cf. 官僚制 民主主義の敵なのか友なのか 9

    官僚制はデモクラシーの敵でもあり、友でもある。いつ涙を流してでも抵抗すべきなのか、いつ「がんばれ」と言うべきか。問われているのは「私たち」の眼力であり、振る舞いである(野口雅弘 (2018))。

9 もっとも、政官の力関係の変化という説明はあまりに雑である。マックス・ウェーバーは、政治家が決定し、責任を負うという「政治主導」を強く主張したが、同時に合理的な行政の理念型を描いて、政治に箍(たが)をはめてもいる。「即物的非人格性」が、彼の『官僚制』のキーワードである。行政の量の増大と質の複雑化のなかで、パーソナルな事情や恣意(しい)性を排して、客観的かつ公正に事務処理することが必要になる。ウェーバーは文書主義についても論じている。「言った」「言わない」という不毛な争いを避けるためには、文書の作成と共有が欠かせない。(原文改行)有力な政治家がパーソナルな事情で形式的な基準をないがしろにすれば、平等に基づくデモクラシーの基盤が掘り崩される。佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問を前にして、官邸前で「官僚がんばれ」との掛け声が飛んだ。ここで求められたのはかつての官僚優位の復活ではないだろう。デモクラシーの条件である中立・公正な行政に対して「がんばれ」と言われたのである。そしてこの一線を守ることは、官僚の「名誉」の問題でもある。彼らが一生懸命に働くのは人事のため(だけ)ではなく、中立・公正な行政に「使命」を感じているからではないのか(原文改行)。もちろん、「中立・公正」は政治学的に最も注意が必要な用語の一つである。この言葉を隠れみのにして、責任逃れと利権保持がなされてきた(野口雅弘 (2018))。

2. 政官関係の3つの規範

  1. 統制の規範
    • Cf. 面従腹背
  2. 分離の規範
    • 行政官(官僚)の政治的中立性の担保
      • 侵害例:政治家による、個別具体的な政策への介入(個所付け)
  3. 協働の規範
    • 現在:官高政低から政高党低へ
    • Cf. 故香川俊介前財務次官が論じた「政治家と官僚」10

    (香川俊介元財務次官)予算編成を切り回す「最強官庁」の本流を歩んでいた官僚なのに、論文の基調を成すのは意外にもこんな「政治主導」論だ。「国民に対し、責任を負えるのは、選挙という民主的手続きを経た政治家のみであり、政治家が政策決定できる仕組みにする必要がある」「政治家が信頼できないのであれば、信頼できる人が政治家になるような仕組みにする」と繰り返し説いた (清水真人 (2015)

    内閣と与党の二重構造では、与党議員が検討中の政策の説明を求めて官僚を呼びつけ、逆に官僚も自らに有利に事を運ぼうとして与党実力者への根回しに走るのが当たり前。香川は「官僚の政治的中立性を侵す可能性が高まる」と認める。そこで「英国議院内閣制の最大の知恵」だとして、「他の提言に先駆けてまず1つ実施するならこれ」と強調した第3の提言が「政治家と官僚の接触禁止」である(清水真人 (2015))。

10 「政治家と官僚 日英比較研究」。こんな表題の知る人ぞ知る論文がある。8月に世を去った前財務事務次官の香川俊介(享年58)が1997年に著した。当時の出向先だった英王立国際問題研究所(チャタムハウス)のレターヘッドに、手書きで124枚。政と官にもっと「競争」を導入し、統治システムの質を高めよ、と説く提言の核心部分は、今も重い問いかけとして迫る。(原文改行)「政治家は選挙を控え、利益誘導的な甘い決断しかできないから、官僚こそがしっかりと長期的に国の将来を見据え、厳しい政策決定をしなければならない、という考え方がある。これは従来の日本における一般的な考え方であったが、誤りである。政治家が長期的に国の将来まで考えた政策決定をして、なお選挙に勝てるような仕組みにしなければならない」(清水真人 (2015))。

3. 政官関係に着目した官僚の類型

  1. 国士型官僚
    • 国家は官僚が背負っているという強い意識をもつ
    • 長所:責任感;短所:独善的
    • 代表的研究:辻清明『日本官僚制の研究』(1961年)
      • 戦前と戦後の官僚機構の継続性を強調
      • 民主的な官僚への転換の必要性を説く
    • 代表例:後藤新平;岸信介;堺屋太一
  2. 調整型官僚
    • 社会集団が表出する諸利益・諸意見を調整することを自らの役割と考える
      • 代表的研究:村松岐夫『戦後日本の官僚制』(1981年)
        • 辻官僚論へのアンチ・テーゼ:国家意識では説明できない
        • 行政官への意識調査(サーベイ調査)を実施
    • 背景
      • 日本国憲法における国会の明確な位置づけ
        • 自民党長期政権
        • 利益団体の活発化
        • 長所:柔軟性;短所:無原則、公私混同
        • ➡︎ 癒着などの不祥事の温床
    • 代表例:香川俊介(財務省);今井尚哉(経済産業省);義本博司(文部科学省)11矢野和彦(文部科学省)12
  3. 吏員(りいん)型官僚
    • 行動規範
      • 官僚は政治家の決定に従うべきである
      • 政治家が諸利益の調整者であり、決定者である
    • ➡︎ 官僚の自律性を守るために、必要最低限の仕事のみを自らの役割と自認
    • 長所:適確な業務の遂行;短所:杓子定規
      • 調整や決定に伴う責任を回避したい
      • 公益を問うことに消極的
    • やりがいを感じられず早期リタイア(?)民間企業に転職(?)
    • そもそも出世する見込みがない大学出身者(?)

11 「復帰の背景にあるのは、幹部候補の人材難だ。17年に発覚した天下り斡旋(あっせん)問題に始まり、加計学園の獣医学部新設を巡るゴタゴタ、前述の贈収賄事件と相次ぐ不祥事に見舞われた文科省。義本氏を含めて多くの幹部が傷を負う結果となり、トップを担える人材の層が薄くなってしまった」(週刊エコノミストオンライン

12 「中教審教育課程企画特別部会の論点整理資料で、次期学習指導要領に向けた検討の基盤となる考え方を示している。「主体的・対話的で深い学びの実装」は今の指導要領を深めていくということ。次の「多様性の包摂」は、さまざま背景・事情を持った子供たちを、誰一人として取り残さないというマインドだ」(内外教育)。

  • Cf. より大きな意思決定権を求める者は国会議員に転身を図る

戦後初期には政治的調整を嫌い政党からの超然性を指向していた官僚も、むしろ政治家と積極的に接触を行い、利害の調整などに踏み出していくことで政策形成を進める方向へと変質をとげていった。より正確にいえば、利害調整に積極的に関与する官僚ほど省庁内部で評価されるようになり、幹部に就きやすくなったと考えられる(建林正彦・曽我謙悟・待鳥聡史 (2008), p.231

4. 組織的類型:官房型官僚と原局型官僚

  1. 原局型官僚
    • 人事異動にも関わらず、課長職を得た部局の「機関哲学」に尽くす官僚
    • 大蔵省主計局長と主税局長
  2. 官房型官僚
    • 特定の部局の利益ではなく、内閣・大臣・官邸の意思を踏まえ、省庁全体や政府全体の調整を担う官僚
    • 安倍内閣において官邸スタッフに引き抜かれ、政策形成や省庁統制における影響力が増大(例:今井尚哉)
    • 原局型官僚が相対的に弱体化

References

奥健太郎 et al. (2015) 『自民党政治の源流』 奥健太郎. and 河野康子., eds., 吉田書店.
建林正彦・曽我謙悟・待鳥聡史 (2008) 『比較政治制度論』, 有斐閣.
清水真人 (2015) 「故香川俊介前財務次官が論じた「政治家と官僚」」. 『日本経済新聞』, No.12月22日.
野口雅弘 (2018) 「(ひもとく)官僚制:民主主義の敵なのか友なのか」. 『朝日新聞』, No.5月12日. Available at: https://book.asahi.com/article/11594574.