Ⅱ. 中央地方関係
3. 中央地方関係の調整制度
- 地方分権改革以降、中央政府と地方政府は法律上は対等な関係とされているため、意見が対立した場合でも、中央政府が一方的に命令することはできず、調整が必要となる
- 国地方係争処理委員会
- 地方政府は、中央政府の是正指示などに不服がある場合に、審査を申し出ることができる
- 総務省の第三者委員会
- 定数:5名
- 優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、総務大臣が任命
- 例:大阪府泉佐野市 ふるさと納税制度問題;沖縄県名護市 辺野古サンゴ移植問題
- 全国知事会
- 非常時に国が自治体に必要な指示を出せるようにする地方自治法改正(2024年)
1 「各都道府県間の連絡提携を緊密にして、地方自治の円滑な運営と進展を図る(全国知事会規約第3条)」(全国知事会ホームページ)
3 「国と自治体はもう「上下・主従」でなく「対等・協力」な関係のはずだ。(原文改行)分権改革で、国が自治体を下部組織のように指揮して仕事をさせた機関委任事務を廃止し、国が本来果たすべき仕事を委ねる法定受託事務と、それ以外の自治体が担う自治事務に振り分けた。(原文改行)その際に、国による関与は「必要最小限」で、自治体の「自主性・自立性への配慮」が原則だと地方自治法に明記された。今回の答申はこの分権改革に明らかに逆行する」(「(社説)国の指示権拡充 自治への介入を危惧」朝日新聞、2023年11月27日)
4 牧原出「その場合、この社説が危惧するように、国が一方的に地方に義務づけることが「対等」という原則を破るものだとは私は言えないと考えています。「対等」であるからこそ、国が指示権を行使しても地方自治体がそれに従わない事態も十分ありうるのです。特にこうした指示権は迅速な行動を求める内容であることが通常でしょうから、地方が従わないことで指示が滞ること事態が国にとっては判断ミスとなり、政権にとっては評判を落とすことが明らかです。その意味では、地方が従うことが見越せるからこそ指示権を行使することになり、であるならば指示権を行使するまでもなく地方がその方針に沿って自発的に行動する可能性が高いとも言えます。合理的に指示権が行使されるとすれば、地方の側で決定できない状況があり、国の指示に従って行動するくらいしかできなくなるといった混乱した状況があるといったことが想定されます」(「(社説)国の指示権拡充 自治への介入を危惧」朝日新聞、2023年11月27日)。
5 「非常時に国が自治体に対応を指示できるようにする地方自治法改正案が、参院総務委員会で可決された。本会議で成立する見通し。これまで個別の法律に規定がある場合に行使が限られていた権限を、個別法の根拠がない場合にも広げることが明記された」(朝日新聞「(社説)国の指示権拡大 自治の原則を侵す改悪だ、2024年6月19日」)。
Ⅲ. 地方分権の限界:消滅可能性自治体
- 加速化する東京一極集中6
- 消滅可能性自治体
- ➡︎ 中央政府による積極的な介入が必要?
- 【消滅】人口減少は国のせい?東京の出生率1.04は最下位?人生の選択肢が増えた結果?ひろゆき&島根県知事|アベプラ
6 総務省が3日公表した、住民基本台帳に基づく2025年の人口移動報告で、東京都は転入者が転出者を6万5219人上回る「転入超過」だった。転入超過の人数は前年より1万4066人減った。転入超過となったのは東京都を含めて7都府県。40道府県で転出超過となった。東京一極集中の傾向が変わらず続いている( 東京、続く一極集中 転入超過6万5219人 朝日新聞、2026年2月4日)