政治学概論Ⅰ《2025》

#9 前半のまとめ/国会中継

Author
Affiliation

苅谷 千尋, PhD

金沢大学 教育支援センター

Published

Wednesday, 4, Feb, 2026

Modified

Saturday, 21, Feb, 2026

Keywords

国会中継;委員会;審議;グループワーク;ディスカッション

Ⅰ. 前回の振り返り(授業の感想)

  • 大石さん;尾添さん;小野さん;河田さん;岸さん;小松原さん;西田さん;髙尾さん

Ⅱ. 国会中継

1. 国会中継(衆参両院)

2. 国会解説(政党)

  • 自由民主党:リンク
  • 立憲民主党:リンク
  • この他、各種メディアが中継している(アーカイブあり)

3. 国会中継:各党の解説編

4. 国会中継:マスメディア

5. 委員会審議

⑴ 基本

  • 委員会質疑
    • 一問一答(衆:往復方式;参:片道方式)
  • 基本的質疑
    • 全閣僚が出席することが慣例;NHKの中継あり

⑵ 審議の流れ

  1. 趣旨の説明、補足説明
  2. 基本的質疑
  3. 一般的質疑
  4. 公聴会、分科会(参議院の場合は常任委員会への委嘱審査)
  5. 締めくくり質疑(参議院の場合は締めくくり総括質疑)
  6. 討論、採決

Ⅲ.グループワーク&ディスカッション

1. 趣旨:国会中継を報道してみよう

  • ニュースで配信される国会中継は、切り貼りされたもの
    • 「政治家は働いていない」「野党は批判ばかり」は本当か?
  • 自分の目で見て、感じ、考えてみよう、そして言葉にしてみよう
  • タスク
    1. 見出し(新聞風)を付ける
    • 15〜25字
      • 「対立ばかりが目立つ国会、議論は前に進まず」(22文字)
      • 「答弁か回避か 緊張感に欠けた30分」(19文字)
      • 「安全保障を盾に、疑問への答え欠く」(20文字)
    1. 寸評を書く
      • 120〜200字
      • 事実+評価+理由で構成すること
      • 求められている記述は感想文ではない点に注意すること

    (例)委員会では、加藤議員が国際協力における日本の具体的な役割を示すよう政府に求めた。これに対し、森外相森は国際協調や理念の重要性を述べるにとどまり、実際の政策や行動計画には踏み込まなかった。両者のやり取りから、問題意識の違いは明確になったものの、政府としてどのような外交方針を取るのかは十分に示されず、議論が整理されたとは言い難い(167文字)。

Tip評価に関わる表現の言い換え例(感想的 → 寸評向き)
  • 議論が噛み合わなかった → 論点をずらす答弁が続き、議論の焦点が意図的に曖昧にされた
  • はっきりしなかった → 明確な立場表明を避ける姿勢が目立った
  • うまく答えていなかった → 問いへの直接的な回答を避け、説明責任を果たしたとは言い難い
  • 大臣は「コメントを控える」と述べた → 大臣は説明を拒絶した
  • 質問がよくなかった → 論点が広すぎ、答弁側に選択の余地を与えてしまった
  • 深掘りしていない → 答弁の曖昧さを指摘せず、議論を前進させられなかった
  • 迫力がない → 政策上の責任に踏み込む構造になっていなかった
  • まとまりがない → 複数の論点を一度に扱い、議論が拡散した
  • 日本では、政治を観察し評価するための語彙が十分に共有されているとは言い難いため、自覚的に批評的な言葉を探すことが大切(評価語が曖昧で、判断を読み手に丸投げしている)1
    • 「どっちもどっち」という言説に回収されやすい
    • 「どっちもどっち」を客観的・中立的・俯瞰的・バランスのよい記述だと勘違いしがち
    • ➡︎ 観察力や思考能力の欠如というよりも、評価に関する語彙をもっていないため(?)

1 「現状も、結局のところ、平場の日常で政治を語ることが、タブー視されていることの裏返しだったりする。(原文改行)別の言い方をすれば、極論でしか語れないバカだけが、政治について発言する社会では、賢い人たちは沈黙しがちになるわけで、そうするとますますバカだけが政治発言を繰り返す結果、政治は、どこまでもバカな話題になって行く。(原文改行)21世紀の日本人は、普通の声量で、激することなく、互いの話に耳を傾けながら政治の話をするマナーを失って久しい。それゆえ、いまどき政治なんぞに関わって、ツバを飛ばし合っているのは、政治好きというよりは、単に議論好き論破好き喧嘩好きな、ねずみ花火みたいな連中ばかりという次第になる」(小田嶋隆 (2020))。

2. 個人ワークとグループワーク

⑴ 流れ

  1. クラス全体:国会中継を見る(30分)
    • ポイントやキーワードを各自、メモする
  2. 個人ワーク:見出し(新聞風)を付ける(10分)
  3. グループワーク(30分)
    1. 見出しを見せ合い、もっともよい見出しを選ぶ(誰かの案をもとに修正も可)
    2. 各自が作成した見出し、ポイント、キーワードをもとに寸評を作成する
    3. Google Formに提出(見出し、寸評、共通)
  • 提出物の良し悪しでディスカッションの質を評価します

⑵ グループ

  • トランプのカードを引いてグループを作ります
    • グループの単位:同じ数字で集まる(♠️︎♦️♣️❤️)

⑶ 国会審議

  • 衆議院 文部科学委員会 2025年11月26日 (水)

References

小田嶋隆 (2020) 『日本語を、取り戻す。』, 亜紀書房.