RとQuartoではじめるデータサイエンス：データを可視化する《2025》

#3 Visualization (1)

Author
Affiliation

苅谷 千尋, PhD

高大接続コア・センター

Published

Wed, 23, Apr, 2025

Modified

Tue, 5, Aug, 2025

Keywords

ggplot2；マッピングとレイヤー；データの読み込み

Ⅰ. 前回の振り返り

  • 前回の「授業の感想」（別紙参照）
  • Q. 齊藤さんの質問「viewの後の（）が空欄であるのは，なぜなのでしょうか？」
    • A. コードの冒頭で、使用するデータフレームを指定しているからです
    • コードの都合上、head関数を使っていますが、view関数や他の関数でも同じです

1. パイプなし

head(penguins) # ()内の最初の引数は、本来は（パイプを使わない場合は）「データフレーム」を指定します
# A tibble: 6 × 8
  species island    bill_length_mm bill_depth_mm flipper_length_mm body_mass_g
  <fct>   <fct>              <dbl>         <dbl>             <int>       <int>
1 Adelie  Torgersen           39.1          18.7               181        3750
2 Adelie  Torgersen           39.5          17.4               186        3800
3 Adelie  Torgersen           40.3          18                 195        3250
4 Adelie  Torgersen           NA            NA                  NA          NA
5 Adelie  Torgersen           36.7          19.3               193        3450
6 Adelie  Torgersen           39.3          20.6               190        3650
# ℹ 2 more variables: sex <fct>, year <int>
# 関数のたびにデータを指定する必要があります
  • データフレームを加工し、図を描画する場合、その都度、代入する必要がある（処理をつなげられない）

2. パイプあり

penguins |> head() # headの()の空白は、データフレームをパイプ（head関数に渡す前に）ですでに指示済みであることを意味します
# A tibble: 6 × 8
  species island    bill_length_mm bill_depth_mm flipper_length_mm body_mass_g
  <fct>   <fct>              <dbl>         <dbl>             <int>       <int>
1 Adelie  Torgersen           39.1          18.7               181        3750
2 Adelie  Torgersen           39.5          17.4               186        3800
3 Adelie  Torgersen           40.3          18                 195        3250
4 Adelie  Torgersen           NA            NA                  NA          NA
5 Adelie  Torgersen           36.7          19.3               193        3450
6 Adelie  Torgersen           39.3          20.6               190        3650
# ℹ 2 more variables: sex <fct>, year <int>
  • データフレームを別の形で保存したいなどの場合を除き、代入不要（処理をつなげられる）
  • 特定の指示をする場合、()に何か入れることはありますが、データは指定しません。headの第2引数は表示する行数の指定です（デフォルトは6行）
  • headの第1引数で、あらためてデータフレームを指定すると、2重にデータフレームを指定したことになり、エラーになる

Ⅱ. 前回の補足と積み残し

1. 前回の補足

⑴ レンダリング（render）とrun

  • render：描画。YAMLのformatで設定した形式のファイルが出力される
    • すべてのrのコードを実行し、ファイルを出力
    • 出力先：quartoと同じフォルダ
    • Viewer画面でも確認できる
    • 自動的にブラウザが開く場合もある（設定？）
  • run：rの実行
    • 図や表の出力に関数する関数がある場合、chunkの下に描画される

⑵ markdownとrcode

  • YAMLとrchunkで囲んだ箇所以外は、rmarkdownのコード領域です
  • 特に#記号（ハッシュ）のもつ意味が、rchunkとrmarkdownで異なります
    • rchunk: コメントアウト（コードを実行しない領域）
    • rmarkdown: 見出し

⑶ 多様な数字の型

  • num: numeric, 数値
    • int: integer（整数）
    • dbl: double（倍精度浮動小数点型、簡単に言えば実数）
integer型とdouble型
  • 意識的に区別して使う場面はあまりない
  • 作図する際も支障はない
  • 自分で作成するnumeric型のベクトルはすべてdouble型となる

⑷ 教員の作業ファイルの共有

  • 毎回授業後に、教員の作業ファイルをアップロードします。何をどうしたのか、わからない場合はこのファイルを使って確認して下さい（欠席者も確認ください）
ファイルとフォルダ
  • 授業用.qmdだけでなく、フォルダ（例：dataフォルダやimgフォルダ）も必ずダウンロードしてください
  • たとえば、qmdでimgフォルダ内の画像を指定しているため、フォルダも一緒にダウンロードしなければエラーがおこります
    • エラー「imgファイルがありません」
  • その他、再現できない可能性があるとすれば、packageをインストールしていない場合です（エラーが出るのでわかるはずです）

⑸ エラーへの対処

  1. エラーメッセージを読む
  2. どこに問題があるか特定する
  3. chunkレベル：エラーが起こっているチャンクをレンダリングから除外する（以下のスクリーンショット参照。どちらも同じです）
  4. エラーが起こっている箇所をコメントアウトする
  5. Chat GPTにエラーメッセージとコードを渡す

2. 積み残し

  • Ⅷ. 実習
    • 「3. （時間に余裕がある人だけ）：横持ちデータと縦持ちデータ」は除く

Ⅲ. 図を作ってみる

1. 最初の図を作ろう

教科書93-94ページにしたがって作業して下さい

gapminderは、スウェーデンの非営利団体が提供するデータセットです。各国の社会状況のわかるデータが収められています。無料で利用できます（公式サイト）。

  1. setupチャンクに、library()関数を使って、gapminderを読み込む（先週までのsetupチャンクに書き足せばよい）
  1. 新しいチャンクを作って、データを確認する
gapminder |> 
  head() # 最初の6行のみ出力
# A tibble: 6 × 6
  country     continent  year lifeExp      pop gdpPercap
  <fct>       <fct>     <int>   <dbl>    <int>     <dbl>
1 Afghanistan Asia       1952    28.8  8425333      779.
2 Afghanistan Asia       1957    30.3  9240934      821.
3 Afghanistan Asia       1962    32.0 10267083      853.
4 Afghanistan Asia       1967    34.0 11537966      836.
5 Afghanistan Asia       1972    36.1 13079460      740.
6 Afghanistan Asia       1977    38.4 14880372      786.
gapminder |> 
  view() # view()関数をつかって、データを確認

skim(), head(), view()関数は、データを確認するうえでとても重要です。いま、自分が何をしているのか、またエラーが出て対処できなくなったときは、まずデータを確認する癖をつけましょう

  1. 図を作ってみましょう。まずは値が数字の二つのカラムから散布図を作ろう。 上と同じチャンクに以下のコードを書いてみましょう

教科書とは異なり、パイプを使ってコードを書いています。また、省略可能な関数は省略しています（教科書は原則を教えるために、まずパイプなしの書き方を教えていますが、実際はパイプを使ったコードを推奨しています）

gapminder |> 
  ggplot(aes(gdpPercap, lifeExp)) +
  geom_point()

カラム名を指定して操作している点に注意（わかりやすく、短いカラム名にすることが大事）

  1. 余裕がある受講生は、他のカラムも使って図を作ってみましょう。散布図はデータの型が数字である二つのデータが必要です
gapminder |> 
  ggplot(aes(gdpPercap, pop)) +
  geom_point()

gapminder |> 
  select(gdpPercap, pop) |>  
  corr.test() #相関係数

2. ggplotはどうやって動くのか

ggplotを使う上で最も大切なことは、ggplotを使って作りたいプロットの論理的な構造を考えることです。あなたが記述するコードはデータにある変数（群）と、色・点・形状といったスクリーンに表示される要素を結びつけます。ggplotでは、こうしたデータとプロット要素の接続性は、審美的要素のマッピング (aesthetic mappings) もしくは単に審美的要素（エセティクス, aesthetics） と呼ばれます。プロットを作り始めるには、常に、まずggplot()関数を使ってどのデータを使うのか、データの中のどの変数をプロットの審美的要素として論理的にマップするのかを指定します。その結果を受けてから、作りたいグラフの種類（散布図、箱ひげ図、棒グラフなど）を指定します。ggplotではこうしたプロットのタイプはgeom（ジオム）と呼ばれます。それぞれのgeomには対応する作図関数があります。例えば、geom_point()関数は散布図を、geom_bar()関数は棒グラフを、geom_boxplot()関数は箱ひげ図を作るといった具合です（ヒーリー，キーラン (2021), 99-100ページ）

図3.1は、ggplotの仕組みが端的に表現されており、とても重要です。ggplotの理解が怪しい場合、わからなくなった場合は、常にこの図に立ち戻ってください

3. マッピングとデータ

⑴ ggplotが必要とするもの

  1. 図にする対象のデータフレーム
    • dataで指定（パイプを使う場合は省略）
  2. データフレームのうちの、図にするデータ（カラム）
    • mappingで指定（mappingという文字は省略可能）
    • x軸とy軸の指定
# 教科書に沿った説明（パイプを使わない場合）
# 次にパイプを使ったコードを紹介します

p <- ggplot(data = gapminder, # ggplotの引数で、データを指定
            mapping = aes(x = gdpPercap, y = lifeExp)
            ) # ggplot関数を用いてx軸とy軸を描きます。それをpというオブジェクトに入れます

p # pというオブジェクトを出力します

コードが横に長くなる場合は、適宜、改行を入れて、読みやすいコードを書く癖をつけること

# 上のコードは、パイプを使うと以下のように省略可能

gapminder |> # gapminderというオブジェクトを使います
  ggplot(aes(x = gdpPercap, y = lifeExp)) # ggplotでx軸とy軸を描きます

# xとyも、指定しなくても、ggplotがいいように考えてくれます
# ただしレイヤーを重ねるような複雑な図を作る場合は、xとyを指定した方がいいでしょう（私は基本的にxとyを指定します）

gapminder |> 
  ggplot(aes(gdpPercap, lifeExp))

  1. geom_関数の指定
gapminder |> 
  ggplot(aes(gdpPercap, lifeExp)) +
  geom_point() #散布図の関数

図に適さないオブジェクト（カラム名）を指定しても、意味のある図は作成できない

gapminder |> 
  ggplot(aes(country, lifeExp)) + # countryはカテゴリー変数（数字ではない） 
  geom_point() # おかしな図になる（今回は無理やり出力したが、エラーで出ない場合もある）

4. レイヤーを足す

  • レイヤーを重ねて図を作成する
    • 重ねる際は「 |> または %>%」（パイプ）ではなく「+」を使う
  • mappingで指定したデータをgeom_関数は継承する
  • ➡ 複数のgeom関数に共通するデータはmappingで指定する

⑴ 平滑化曲線を足す

gapminder |> 
  ggplot(aes(gdpPercap, lifeExp)) + 
  geom_point() +
  geom_smooth() # 平滑化曲線関数

実践を重ねて、レイヤーを重ねるイメージを掴もう

ここから先は授業時間に余裕がある受講生だけ取り組んで下さい（授業時間内にできない場合は、各自で取り組んで下さい）

⑵ 相関係数を追加する

パッケージの追加
  • ggpubrはggplotパッケージに入っていません
  • 試してみたい場合は、ggpubrを追加して下さい
gapminder |> 
  ggplot(aes(gdpPercap, lifeExp)) +
  geom_point() +
  geom_smooth() +
  stat_cor(method = "pearson", label.x = 60000, label.y = 30) # 相関係数を析出（ピアソン）。label.xとlabel.yは析出結果をプロットする位置を指す

⑶ ラベル（国名）を足す

パッケージの追加
  • geom_text_repelはggplotパッケージに入っていません
  • 試してみたい場合は、ggrepelを追加して下さい
gapminder |> 
  ggplot(aes(x = gdpPercap, y = lifeExp, label = country)) + # countryは文字型ベクトルなのでラベルとして使用できる
  geom_point() +
  geom_text_repel(size = 3, max.overlaps = 10) # sizeは文字サイズ、max.overlapsはテキストの重なりの最大値

？？？クエートが複数ある（データフレームを確認すると、yearは複数年の情報がある）

gapminder |> 
  filter(year == "2007") |>  # dplyerを使ったデータの加工（次回説明します）
  ggplot(aes(x = gdpPercap, y = lifeExp, label = country)) +
  geom_point() +
  geom_text_repel(size = 3, max.overlaps = 10)

⑷ 条件を満たすオブジェクトをハイライトする

パッケージの追加
  • gghighlightはggplotパッケージに入っていません
  • 試してみたい場合は、gghighlightを追加して下さい
gapminder |> 
  filter(year == "2007") |> 
  ggplot(aes(x = gdpPercap, y = lifeExp, label = country)) +
  geom_point(colour = "red") + # ポイントを赤にする
  geom_text_repel(size = 3, max.overlaps = 10) +
  gghighlight(country == "Japan") # 条件を満たしたデータをハイライトする（他をグレーアウトする）

gapminder |> 
  filter(year == "2007") |> 
  ggplot(aes(x = gdpPercap, y = lifeExp, label = country)) +
  geom_point(colour = "red") + # ポイントを赤にする
  geom_text_repel(size = 3, max.overlaps = 10) +
  gghighlight(lifeExp > 80) # 条件を満たしたデータをハイライトする（他をグレーアウトする）

⑸ オプション設定

  • pointや線の見た目は簡単に変えられます
    1. コンソール（左下のパネルに）?関数名を入れると、右下のパネルにヘルプが出ます（Run examples）で、何がどう変化するか、わかります
    2. chatGPTに聞いてみよう

    ggplotで散布図を作っています。ドットの大きさを変える方法がわかりません。サンプルのデータフレームを作って教えて下さい

Ⅳ. データの読み込み

1. csv: read_csv()関数

  1. Google Drive「データ」から、sampleデータ（survey_2025-04-23.csv）を入手（初回アンケートから100人分のサンプルデータを作成）
  2. qmdファイルと同じ階層に「data」フォルダを作り、survey_2025-04-23.csvを収納
  3. 新しくRチャンクを作り、read_csv（）関数を使ってデータを読み込む
  4. データフレームの型とデータの型を確認
df_アンケート <- # 以下のコードで読み込んだデータを、df_アンケートというオブジェクトに格納
  read_csv("data/survey_2025-04-23.csv") # read_csv()関数を使ってデータを読み込み
  
df_アンケート |>  # データフレームを指定
  head() # 最初の6行を出力し、データフレームの型とデータの型を確認
# A tibble: 6 × 6
  学域         学年  Q1..パソコンのスキルに自信がありますか…¹… Q2..R言語を知っていますか.…²…
  <chr>        <chr>                                <dbl>                  <dbl>
1 理工学域     2年生                                    2                      4
2 人間社会学域 3年生                                    2                      2
3 融合学域     4年生                                    3                      2
4 融合学域     3年生                                    1                      3
5 融合学域     3年生                                    1                      4
6 人間社会学域 4年生                                    5                      2
# ℹ abbreviated names: ¹​Q1..パソコンのスキルに自信がありますか,
#   ²​Q2..R言語を知っていますか.
# ℹ 2 more variables: Q3..プログラム言語を使ったことはありますか <dbl>,
#   Q4..可視化したいデータはありますか <chr>
オブジェクトの命名規則
  • 代入演算子を使って新たに作成するオブジェクトの名前は任意ですが、各自、命名規則を意識して名前を付けましょう
  • データフレームは、df、dat、dなどが一般的です
  • 代入演算子で作成するオブジェクトは、図、計算結果、自作関数など多数あり得ます。一目で区別が付くものがよいでしょう
    • plot_任意の文字、result_任意の文字、function_任意の文字
Note
  • read_csv()関数はデータフレームをtibble型（tidyverse = ggplotに最適化されたデータフレーム）に変換してくれる
    • as_tibble()関数を使う必要がない
    • Cf. read.csv()関数は、data.frame型で、ggplotに最適化されないデータフレーム形式で読み込むので注意すること
文字コード
  • Windows標準（日本）のCP932形式（Shift_JIS）で作成されたファイルを読み込むには、文字コードを指定する必要あり（文字化けの原因のほとんどは文字コードに起因する）
  • 現在の世界標準の文字コードはユニコード(UTF-8)（特別の指定なく読み込める）
  • エディタで文字コードを変更するのではなく、読み込みの段階で文字コードを変更する癖をつけましょう（元ファイルは触らないのが原則）
read_csv("filename.csv"
         , locale = locale(encoding = "cp932"))

2. エクセルファイル: readxl()関数

  1. tidyverseパッケージに入っていないので、追加インストールが必要。Console（画面左下）に以下のコードを入力して実行（enter）
install.packages("readxl")
  1. setupチャンクに、library()関数を使って、readxlを読み込ませる

library(readxl)
  1. 新しくRチャンクを作り、以下のコードを実行
df_アンケート_エクセルファイル <- 
  read_excel("data/survey_2025-04-23.xlsx")

df_アンケート_エクセルファイル |> # データフレームを指定
  head() # 最初の10行を出力し、データフレームの型とデータの型を確認
# A tibble: 6 × 6
  学域         学年  Q1..パソコンのスキルに自信がありますか…¹… Q2..R言語を知っていますか.…²…
  <chr>        <chr>                                <dbl>                  <dbl>
1 理工学域     2年生                                    2                      4
2 人間社会学域 3年生                                    2                      2
3 融合学域     4年生                                    3                      2
4 融合学域     3年生                                    1                      3
5 融合学域     3年生                                    1                      4
6 人間社会学域 4年生                                    5                      2
# ℹ abbreviated names: ¹​Q1..パソコンのスキルに自信がありますか,
#   ²​Q2..R言語を知っていますか.
# ℹ 2 more variables: Q3..プログラム言語を使ったことはありますか <dbl>,
#   Q4..可視化したいデータはありますか <chr>

read_excel()関数もデータフレームをtibble型（tidyverse = ggplotに最適化されたデータフレーム）に変換してくれる

3. データの読み込みと型

  • ファクター（カテゴリー）の方が便利でも、読み込んだ時は、数字か文字列
  • 自分でファクターにする必要がある（dplyrパッケージ。次回以降に説明）
初回アンケートを例に
  • ※学域、学年は「文字」（chr）として認識されているが、集計、可視化するうえでは、カテゴリーとして扱った方が便利（文字＝文字コードとして扱うことに意味はない）
  • 詳しくは次回以降で説明

この場合は実数と文字列が構造の情報として出力されます。読み込み時にデータ型が表示されることで、意図した通りにデータが読み込まれているかを確認するのに役立ちます。具体的には数値列として扱いたい列に文字列が含まれてしまっているために文字列型で読み込んでしまった場合に、この表示によって間違いの発見が早まることがあります。先に述べた通り、データ型によって適用できる処理に違いがあります。csvファイルの読み込み関数には、関数名に「_」を使わずに、「.」を使ったread.csv()関数が利用されることもあります。これはR標準の関数です。この違いの1つは,read_csv()関数では文字列をあらかじめ因子型に変換しないことです。これはデフォルトで文字列を因子型として扱うread.csv()関数とは対照的です。データを因子化しておくと、Rでは有益な機能があります(特に実験などで複数の処理や対照グループが存在するとき)が、それは常に必要なものではありません。意図しないデータの変換によるユーザの混乱を防ぐためにread_csv()関数ではこのような実装となっています（ヒーリー，キーラン (2021), 91-92ページ）

教科書（91ページ）の実例は、ウェブサイト上のデータを読み込むものです。通常、ローカルデータを使うことが一般的ですので、作業は省略します。興味がある人は実行してみて下さい

url <- "https://cdn.rawgit.com/kjhealy/viz-organdata/master/organdonation.csv"

organs <- read_csv(file = url)

organs |> 
  skim()

ファイルの読み込み、書き出しについては、Rで読むExcelファイルが有益です

Ⅴ. 実習

  • 持参したデータで上記のコードを復習してみよう
  • データがない場合は
    • penguinsデータセット（csvの読み込みはありません）
    • 本日、冒頭に読み込み作業した「初回アンケート」のサンプルデータ（ただしこのデータは散布図には向いていません）
    • gapminder（ただし、例示以外のカラム名（変数）を使うこと） のいずれかを使ってみましょう

1. palmerpenguins

palmerpenguins

前回の授業でインストールしているはずです。なければインストールしてください

library(palmerpenguins) 

penguins |> 
  head()
# A tibble: 6 × 8
  species island    bill_length_mm bill_depth_mm flipper_length_mm body_mass_g
  <fct>   <fct>              <dbl>         <dbl>             <int>       <int>
1 Adelie  Torgersen           39.1          18.7               181        3750
2 Adelie  Torgersen           39.5          17.4               186        3800
3 Adelie  Torgersen           40.3          18                 195        3250
4 Adelie  Torgersen           NA            NA                  NA          NA
5 Adelie  Torgersen           36.7          19.3               193        3450
6 Adelie  Torgersen           39.3          20.6               190        3650
# ℹ 2 more variables: sex <fct>, year <int>

2. 初回アンケートサンプルデータ

df_アンケート |> 
  ggplot(aes(x = `Q1..パソコンのスキルに自信がありますか`, y = `Q2..R言語を知っていますか.`)) +
  geom_point()

カラム名が数字から始まる場合や.などの記号がある場合、前後に「`」が必要

df_アンケート |> 
  ggplot(aes(x = `Q1..パソコンのスキルに自信がありますか`)) +
  geom_bar() # 散布図は不向きなため、棒グラフを作ってみる。棒グラフは、図の性質上、一つのオブジェクトしか取れない

Ⅵ. 宿題

1. 授業の感想

note | 回答先と締め切り
  • 回答先：Google Forms
  • 締め切り：2025年4月25日（金）23時59分まで

引用文献

ヒーリー，キーラン (2021) 『データ分析のためのデータ可視化入門』, 講談社.