金沢大学 高大接続リーディングセミナー #20
March 21, 2026
読書が嫌いだというなら、それはまだ自分に合った本に出会っていないだけだ

お願い
わたし自身が高校生だったころのことを考えても、本を読んで感想を言えと迫られて、いったいどれほどのことが言えただろうか。本からなにかを読みとり、それを切り取ってきて言葉にできるかどうかは、ある程度、人生経験の長さに比例している。だから、中高生にとっての読書会はあくまで「お試し」であってかまわない。これから先、さまざまな経験をしたあと、またいつかどこかで読書会に参加してくれればそれでいい(向井 (2022))。
共通テスト「国語」や「公共、倫理」で出題される文章題は、世相や世代にあったテーマを扱う文献から引用されることも多く、じっくり読むと意外に面白い。とはいえ問題を解く立場だと、問題文をのんびり読んでる場合ではないし、内容にちょっと興味を持ったとしても、試験後の忙しさにかまけて忘れてしまう受験生が少なくないのではないだろうか。
京大新聞では例年、その年の共テ問題文の出典から数冊をピックアップし、その書評を掲載している。本面をきっかけに出題文を思い出し、受験後にでも読んでみようか、と思ってもらえれば幸いだ。(編集部)
国語:高岡文章(観光社会学者)「観光は「見る」ことである/ない:観光のまなざし」をめぐって」(『〈みる/みられる〉のメディア論』所収)
国語:蜂飼耳「繭の遊戯」(『極上掌篇小説』所収)
公共、倫理:ミシェル・アンリ(哲学者)『見えないものを見るカンディンスキー論』
Cf. 東進ハイスクール 解答・解説
Cf. 京都大学新聞「解かずに読む共通テスト書評2024」
大隅良典「細胞の謎を解く:科学「役立つ」だけで測れず」 (『読売新聞』2019年7月23日)
でもこれまでわからなかったことを知る喜び、知的好奇心こそが科学の原動力で す。……役に立つという言葉が独り歩きして、役に立つとは何かを考えず、2、3年で何か応用できて製品になる、というイメージが若者の間にも広がっているように思えます。
注目が集まる領域だけでなく、誰もがまだほとんど関心を示さないことに挑戦するのも、科学の進歩のためには必要です。それには色々なことに挑戦できるような広い裾野が何よりも大切なのです。
情報×方法×問題意識あるいは知的好奇心
紹介文は大学のウェブサイト(セミナー案内など)で紹介いたします
みなさん、手術というのは、スーパースターのような偉大な人がやっていると考えていませんか?実は意外と手先の器用さより、どんなことが起きても対処できるようにする思考回路の方が重要なのです。確かに、ある程度のトレーニングが必要にはなりますが、どのタイミングで手術を行うのか、どこを切るかなどの思考回路を育てていくのが大切です。
一般的に外科医師に求められる能力は、技術や器用さだと思われていますが、本書によれば、外科医に求められるのは、知識をもとにした直感的な判断力とともに、治療全体を見通したうえで、手術をどう行うかという戦略的な思考力です。そのため、考える力のほうが外科医師に必要な力だといいます。
本書は、著者が「戦略・戦術」、「武器」、「技術」などの観点から、手術における魅力や重要性、外科医として必要になる能力について語っています。
医学界での化学技術は日々進化していますが、手術は外科医自らの技術や判断力、体力などを結集させた総合力で行われます。そして、手術の経過においては全体を見通し、安全な手術を行うための外科医の思考過程が最も重要であると著者は述べています。
本書では、「現代の技術が、洗練された医療機器と治療戦略、修練を積んだ外科医の技能、そして患者さんの治癒力で成り立っている」という点を重要な視座として据えながら、これらの要素が相互に補完し合い、手術という医療行為が成立していく過程を体系的に提示しています。
多少専門的な表現も出てきますが、外科医としての視点を現代の技術について一般の人にも伝わるように丁寧に解説しているために、医学部を目指している学生だけでなく、手術のアフターケアに関わる医療関係者はもちろん、これから消化器外科での手術を受ける患者にも読んでほしい一冊です(753文字)。
ある患者は違法薬物を用いて仕事への活力を繋ぎ、ある患者はトラウマ的な記憶から自分を守るために、自らの身体に刃を向けた。またある患者は仕事も家族も失ったのち、街の灯りを、人の営みを眺めながら海へ身を投げた。 いったい、彼らを救う正しい方法などあったのだろうか? ときに医師として無力感さえ感じながら、著者は患者たちの訴えに秘められた悲哀と苦悩の歴史のなかに、心の傷への寄り添い方を見つけていく。……嗜癖障害臨床の最前線で怒り、挑み、闘いつづけてきた精神科医の半生記(出版社の案内)。

使用薬物は、14年には脱法ハーブのような危険ドラッグが約半数を占めていたが、規制が強化されて以降、せき止めや風邪薬などの市販薬が年々増え、24年では72%を占めた。
市販薬使用者の93例の内訳を見ると、女性が89%と大半を占めたほか、最近1年以内に自殺・自傷を試みた人は83%、学校に在籍している人が74%だった。
松本部長は「非行歴がなく、いわゆる『普通』の女子に薬物が広がっている」と深刻な状況だと指摘し、「ドラッグストアは数多く、個数制限の意味はほとんどない。対策の重点を女性に置き、カウンセリングや自殺防止に力を入れる必要がある」と強調した。
病気を抱えた人には、家族や地域とのつながり、仕事、価値観など、多様な背景がある。医学的・生物学的知識だけに基づいて疾患を治すことが、幸せにつながるとは限らない。患者の「社会的・文化的文脈」を理解して治療に臨むのが、医療人類学の姿勢だ。
文部科学省などが医学生の必須の学修目標を明確化した「医学教育モデル・コア・カリキュラム」にも、2016年度版以降、医療人類学の視点の重要性が明記されている。
「私は狂人の無意識ではなく、狂人の意識のほうを詳しく調べてみたいと思う。行間を読んで隠れた意味を探し出し失われた子ども時代を再構築して声にならない欲望をあらわにするのではなしに、狂人が言いたかったこと気にかけていたことのほうを、私は探索してみたい」(ポーター (1993))。
全員で一つの紹介文を作成します(一人ずつ紹介文案を作るのではありません)
まとめ方の注意点
〔冒頭の段落〕タイトルのネーミングが良い。内容は周囲に満ち溢(あふ)れる不思議や疑問に「気付く」「観(み)る」「考える」という章立てで進み、自分の答えを「試行する」こと、周囲へ「表現する」ことはいつ何時でも可能だと教えてくれる。各項目も短く、著者が勧めるように日めくりカレンダーのように読み進めるのもいい(リンク)。
例:行政学者の水口は、「何でも説明できるものは何も説明していないのと同じことである」と述べ、森の定義の曖昧さを批判する。
重要
アンケートURLは、参加証を添付するためのメールにも記載します